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記紀・万葉やまとうた「龍田彦」 - 2017.04.17 Mon

スタッフの松田です。
桜が風に舞い散り行く様がとても美しく、今年の桜も見納めの時期になりました。1300年前にも、1年に7日間ほどだけ咲き散って行く桜を惜しむ歌が残されています。

  「龍田彦」〜CD「あさね髪」より〜
      作詞:高橋虫麻呂 作曲:綱澤僚

    白雲の 龍田の山の 滝の上の 小鞍の嶺に 
    咲きをゐる 桜の花は 山高み 風しやまねば
    春雨の 継ぎてし降れば ほつ枝は 散り過ぎにけり
    下枝に 残れる花は しましくは 散りな乱ひそ
    草枕 旅行く君が 帰り来るまで

    我が行きは 七日は過ぎじ 龍田彦 ゆめこの花を 風にな散らし
                       万葉集9-1744.1748


1龍田彦

―試 聴―(クリックするとご試聴いただけます)
 


=対訳=
龍田山を越える道沿いにある滝の真上の小鞍の嶺に、咲き乱れている桜の花は、山が高くて風がやまないので、また春雨もこやみなく降りつづくので、梢の花はもう散ってしまった。下枝に咲き残る花よ、もうしばらく散り乱れないでおくれ。旅行く方が帰り来るまでは。
私たちの旅は、七日もかかることはありますまい。龍田の神様、どうか、この花を風に散らさないで下さい。

=歌枕より=
風の神様、龍田彦。目に見えない風に、神様がおいでになるというのは大いに納得。桜の散るちりぎわの美は、龍田彦の人間に対する贈り物かもしれません。

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記紀・万葉やまとうた「春愁〜約束された別れ」 - 2017.03.27 Mon

スタッフの松田です。
3月も残すところ一週間となり、桜の蕾も膨らんできました。
春は出会いと別れの季節、様々な想いがあります。1300年前にも、都から播磨の国司ととして赴任した役人との出会いと別れを歌った歌が残されています。

  「春愁〜約束された別れ」〜CD「カエリー」より〜
      作詞:播磨娘子 作曲:歌枕直美

   絶等寸の 山の峯の上の 桜花 咲かむ春ベは 君し思はむ
   君なくは なぞ身装餝はむ 匣なる 黄楊の小櫛も 取らむとも思はず
                            万葉集9-1776.1777


1春愁

―試 聴―(クリックするとご試聴いただけます)
 

=対訳=
絶等寸山の嶺の上の桜花よ、やがて咲くだろう春のころは、あなたをお慕いすることだろう。
あなたがおられずして、どうしてわが身を装いましょう。匣に大切にしまう黄楊の小櫛も手にとろうとは思いません。
=歌枕より=
“約束された別れ”のサブタイトルが、全てを語っています。
あまりにもいじらしい女性の心、男性も女性も思い当たる方がいらっしゃるのでは?

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記紀・万葉やまとうた「春の苑」 - 2017.03.20 Mon

スタッフの松田です。
家持が越中の国守として今の富山県高岡市にいた時に作った歌です。
春の夕暮れ、桃の花が美しく咲きほこり、夕陽に照り輝いている木の下にたたづむ乙女の姿、まさに中国から伝来した「樹下美人図」の世界が思い浮かびます。

  「春の苑」〜CD「あさね髪」より〜
             作詞:大伴家持 作曲:綱澤 僚

     春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出て立つ娘子
                            万葉集19-4139


1春の苑

―試 聴―(クリックするとご試聴いただけます)
 

=対訳=
春の苑に紅が照り映えている。その桃の花が照り輝く道に出て立っている乙女よ。

=歌枕より=
大伴家持の叙情性をこよなく愛します。“出てたつおとめ”の姿が眼に浮かびます。

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記紀・万葉やまとうた「味酒を」 - 2017.03.13 Mon

スタッフの松田です。
奈良県桜井市にある三輪明神 大神神社は日本最古の神社のひとつでお酒の神様としても有名です。拝殿の前にあるの杉は神の宿ります神樹、神霊の天降ります霊木として崇拝されています。

  「味酒を」〜CD「カエリー」より〜
      作詞:丹波大女娘子 作曲:綱澤 僚

   味酒を 三輪の祝が いはふ杉 手触れし罪か 君に逢ひがたき
                            万葉集4-712


1三輪神杉のコピー

―試 聴―(クリックするとご試聴いただけます)
 

=対訳=
味酒よ神酒(みわ)—三輪の神官がまつる杉に手を触れるようなことをしたのか、その罪によって君に逢いがたいことよ。

=歌枕より=
短い曲ですが、歌から女性の色気を感じます。

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記紀・万葉やまとうた「巨勢野の春」 - 2017.03.06 Mon

スタッフの松田です。
奈良県御所市古瀬は、今でも椿で有名なところです。万葉の時代、椿は霊力の宿る聖なる花と考えられており、巨勢道に連なり咲く椿の様子を“つらつら椿”と詠まれています。

  「巨勢野の春」〜CD「みやびうた」より〜
      作詞:坂門人足・春日蔵首老 作曲:綱澤 僚

   巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を
   川の上の つらつら椿 つらつらに 見れども飽かず 巨勢の春野は
                            万葉集1-54.56


椿

―試 聴―(クリックするとご試聴いただけます)
 

=対訳=
巨勢山のつらつら椿よ、つくづくと見ながら偲ぼう。巨勢野の春を。
川のほとりのつらつら椿よ、つくづくと見るけれど飽きない。巨勢野の春は。

=歌枕より=
“つらつら椿”の音の響きは、たとえようもなく気持ちのよいものです。
音楽教室の発表会では、子供さんたちが歌ってくれています。

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