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「うたまくら30周年にむけて」vol.7〜CDショップ全国展開・新ジャンル「うたまくら」誕生〜 - 2020.06.01 Mon

スタッフの松田です。
歌枕の音楽で綴る万葉集「みやびうた」CDが完成し、リリースコンサートを行ったものの、CDメーカーからの発売でなく、自社制作・インディーズ盤でのため、どうやって世の中に告知し、販売していくのかという大きな課題がありました。最近では、ネットショップや音楽配信、ネットダウンロードで購入される方が多いと思いますが、当時は、タワーレコードやHMVなど、CD専門の大型ショップが全盛期の頃でした。

1タワーミュゼ
 
(タワーレコード全店クラシック担当バイヤー推薦アルバム)


まずは、大阪ならタワーレコードとドキドキしながら出かけ、梅田店の店長にお会いしCDと資料をお渡ししました。クラシック音楽担当のバイヤーと相談し御返事しますとのことでしたが、その翌日「これはおもしろいCDですね。扱いましょう!」とのお電話をいただき、即 取り扱いが決まりました。新ジャンルなので、どんなCDかを知ってもらうことが重要と、倍率の高いリスニングコーナーに入れていただき、お客様に試聴していただくことからはじまりました。後にバイヤーの方より、「試聴機でお聴きになるお客様は熱心な表情で、その反響は大きく週間売上10位にはいりました。」との、嬉しいご連絡をいただきました。

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(タワーレコード全国情報誌『musee』CD紹介記事)*記事画像をクリックすると拡大されます。


またタワーレコード全国情報誌『musee』では、「万葉集の歌を自然に受けとめられるように工夫されたメロディー、伸びやかに優しく響かせる独自の歌唱法と相まって、不思議に安らぎを与えてくれるでしょう。」「国際化した日本の新しい褒め歌が誕生している。」などのバイヤー評価とともに紹介され、その実績により、タワーレコードの全国店舗取り扱いへとつながりました。

その他、HMV、山野楽器、YAMAHA、JUGIYAなどへと展開していきました。こうして展開して行く中で、各店のバイヤーの方に、よく質問されたのは、「どのコーナーでしょうか?クラシック?ヒーリング?J-クラシック?」結果、「ジャンルはうたまくらですね。」と、コーナーができました。また、「歌枕さんの歌い方は何ですか?ベルカント?でもなく、日本語が美しい歌枕さん独自の歌唱法ですね。」など、すべてがオリジナルと、より感じる事ができました。

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(タワーレコード渋谷店6Fクラシックフロア インストアライブ案内)

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(1997年9月21日 タワーレコード渋谷店 インストアライブ)


またその当時、CDショップでのインストアライブが流行っており、海外有名アーティストも来日して店頭でミニコンサート&サイン会を行っており、タワーレコード梅田店、渋谷店をはじめとし、様々なお店で開催していただきました。座って聴いてくださる方や、棚の陰から静かに聴いてくださる方など、そしてライブの後のサイン会にも多くの方が並んでくださいました。その後も、CD販売店がきっかけとなって、「歌枕直美のやまとうたを歌う会」会長の竜門陽子さんをはじめとし、多くのお客様との出会いが生まれました。



「うたまくら30周年にむけて」vol.6〜「三輪の大神様」との縁(えにし)〜 - 2020.05.25 Mon

スタッフの松田です。
前回にお話ししましたように、歌枕の新しい音楽、西洋音楽と日本文化の融合した「音楽で綴る万葉集〜みやびうた」の第一番目に誕生した曲が額田王の「三輪山」でした。三輪山は、古来より神が鎮まります神聖な山として信仰されおり、今は、三輪明神 大神神社のご神体として御祭りされています。

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(三輪明神 大神神社 拝殿)


CDプレスが出来上がる直前、まず三輪の神様にご報告をと、三輪明神 大神神社 祈祷殿にてご奉納演奏をさせていただきました。その時、神職様が「歌枕さんの歌は、神職の祝詞と同じだ」と、お話し下さったことを今でも鮮明に覚えています。その後も、歌枕は、CDのリリースをはじめ、海外公演成功祈願、会社の節目などに、大神神社にお礼とご報告にお伺いしご奉納演奏をさせていただいています。

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(2015年3月 拝殿にてご奉納演奏)


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大神神社 発行「みわ」〜三輪山だより〜)*画像をクリックすると拡大されます


大神神社より、摂社である率川神社での万葉歌碑の除幕式や大神神社の平成の大造営祝方行事における演奏など貴重な機会を与えていただきました。また、大神神社CD「三輪明神 神拝詞」に於いては、毎日のご祈祷で神職様方が歌い継がれて来られた“三輪明神 奉賛歌”を、先代の木山宮司様のご指名により歌枕が歌い、特別な深いご縁を頂戴しています。

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(大神神社CD「三輪明神 神拝詞」)


その都度、現宮司 鈴木宮司様は、いつも、「歌枕さんは神様から歌う使命を与えられている。世のため人のために歌い続けてください。」と応援してくださっています。
そして4年前、歌枕が病に倒れた時には、早く回復する様にと、毎日ご祈祷を斉行してくださり、そのお志るしとして今なお、日々の御饌米を送り続けてくださっています。24年に亘る「三輪の大神様」と三輪明神大神神社との縁に、深く感謝しています。


 木山照道 先代宮司「うたまくら草子」対談 8号(2001年1月)
 鈴木寛治 宮司「うたまくら草子」対談 24号(2005年1月)43号(2009年10月)





「うたまくら30周年にむけて」vol.5〜制作への道・音楽で綴る万葉集「みやびうた」誕生〜 - 2020.05.18 Mon

スタッフの松田です。
設立より4年目の秋、その当時、うたまくら社の収入の柱であった仕事を失うかもしれないというピンチの事柄がありました。その時、歌枕は「ピンチをチャンスに変えなければ!今こそやらなければならない。うたまくらオリジナルを作らないと。」と、それまで歌枕の中であたためていた企画の制作を決断しました。それは、日本の古典を現代に再生させること、西と東の融合、つまり万葉集に現代のメロディーをのせて演奏する事でした。まさに、設立当初の歌枕の指針「そこにしかないものを発信する会社になりたい。」という考えのスタートとなりました。


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(初版盤「音楽で綴る万葉集〜みやびうた」CD)


それから作曲家をはじめ、共に制作をしてくださるスタッフ探しからはじまり、知人の紹介で作曲家 綱澤僚さんと出会い、はじめはCMなどの作曲をされている方ということで、音楽感が合うのかどうか不安ながらも、一か八かと候補の万葉歌を持って打ち合わせをし、歌枕が帝国ホテルで演奏をしている時に聴きにきていただきました。そして、その翌日、歌枕の声を聞いてすぐに曲が出来たのが「三輪山」でした。歌枕もこの曲のデモを聴いた時に、「これは生涯かけてできるプロジェクト。」と感じました。それからわずか2ヶ月の制作期間で、「音楽で綴る万葉集〜みやびうた」CDが完成。1997年3月24日大阪倶楽部に於いてリリースコンサート開催、記念すべき日となりました。
そして、西洋音楽と日本文化の融合した「音楽で綴る万葉集〜みやびうた」CDは、新しい音楽として新聞各社に取り上げられました。

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(1997年3月18日読売新聞)*画像をクリックすると拡大されます

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(1997年3月21日朝日新聞)*画像をクリックすると拡大されます

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(1997年3月6日産経新聞)*画像をクリックすると拡大されます


リリースコンサート当日、新聞記事を見て興味を持ち聴きにきてくださった上島朱實さん(現:歌枕直美友の会名誉会長)が、会場客席一列目に座ってくださっており、「聴いた瞬間、その豊かな情感にすっかり魅了された。」と、それから24年、今なお応援し続けてくださっています。

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(「ようこそモリスの世界へ」CD)


またこの日は、近代デザインの父と呼ばれるウィリアム・モリスの誕生日でNHKでは特別番組「ようこそモリスの世界へ」が放送され、番組エンディング曲を歌枕が歌わせていただき、2重の記念日となりました。歌枕がウィリアム・モリスをはじめとする生活工芸に興味を持ったきっかけは、前回ご紹介しました京都・無名舎のご当主 吉田孝次郎先生と出会いにあり、それがこの様な形で繋がり、ウィリアム・モリスとも不思議な縁を感じます。



「うたまくら30周年にむけて」vol.4〜幸運の女神・ベヒシュタイン〜 - 2020.05.11 Mon

スタッフの松田です。
設立当初、歌枕より社員にむけて、「うたまくらは、どのような会社を目指すのか。」の例えとして、「“京都の町家”や“京都の老舗の漬物屋”のような会社。間口は狭いが、奥は深い。そして遠方からでも、その店の味を求めてお客様が訪ねて来てくださるような、そこにしかないものを発信する会社になりたい。」という話がありました。
今振り返ると、歌枕の目指したとおり、歌枕のコンサート活動であり、うたまくら茶論、ピアノ工房、歌枕直美音楽教室と、 “うたまくら”にしかないものの発信をし、支えてくださるお客様がお集りくださっています。
様々な活動の展開には、その時々に、人やものとの貴重な出会がありました。

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(うたまくら茶論 ベヒシュタインパリッサンダー)


京町屋・無名舎でのコンサートで使用するにふさわしいピアノを探している時に、今、うたまくら茶論にあるアップライトピアノ“ベヒシュタイン パリッサンダー”(1889年ドイツ製)とめぐり会いました。歌枕は、その何とも美しく気品のある姿と音色に、「このピアノは、私たちの幸運の女神だ!」と直感。その当時、まだ会社設立1年で、業務内容も模索中、運営資金もほとんどない時期でしたが、絶対に手元に置かなければいけないと…、本当に運命的な出会いでした。
その時は、“ベヒシュタイン”というピアノメーカーについて詳しくわからなかたのですが、ドイツで作られ、ロンドンに渡り、そこから日本にやってきた、日本語に訳すると“宮内庁御用達”という内容の文字が書かれているピアノでした。最近になり、ベヒシュタインジャパンの加藤社長がベルリンより、出荷台帳を取り寄せて下さりそのルーツがわかりはじめました。


ベヒシュタイン出荷台帳

(ドイツベヒシュタイン社 出荷台帳写し)


そして、“運命の女神・ベヒシュタイン”との出会いが、ピアノ技術者 荒木欣一との出会いを生み、そして今の“うたまくらピアノ工房”へと発展して行きます。




「うたまくら30周年にむけて」vol.3〜歴史的建築でのコンサート〜 - 2020.05.04 Mon

スタッフの松田です。
歌枕が設立日に話した通り、石をのけるところから…、うたまくら社の母体となった歌枕が主宰する女声コーラスアンサンブルでのコンサート企画を、まず近畿圏のホール、教育委員会に企画書を持って歩くということからはじまりました。日本のうた、ミュージカル、スクリーンミュージック、民謡、クラシックなどなど、その季節、その土地、その催事のテーマに合わせ、歌枕がコンサート企画を考えました。文化会館などのホール、幼稚園、学校の音楽会など、生の音楽を楽しんでいただこうと“音楽の出前”として各地にでかけました。また、会社ができる数年前に、今「音絵巻」公演を開催している京都町家・無名舎との出会いがありコンサートを行っていました。


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(京都生活工芸館 無名舎


今までにもご紹介しておりますが、無名舎の御当主 吉田孝次郎先生は、半世紀をかけて近代化され風情のなくなった京町家や祇園祭を本来の形に戻された方です。吉田先生が東京の美術学校に行かれ、戻って来られた時に、京都が近代化という名の下に、大事なものを多く失っていると感じ、実家である現無名舎をもとの町家の状態に戻し、町全体の京町屋の風情や再生させ、その活用法を模索して来られました。また祇園祭山鉾連合会理事長を2年前迄務め、祇園祭の復元にも尽力され、メインの山鉾巡行のみでなく、「屏風祭」(後祭り)も復元されました。


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(京都生活工芸館 無名舎にて)

吉田孝次郎先生「うたまくら草子」対談  *67号(2018年1月) *14号(2002年7月)
 

歌枕は20代の頃、ちょうど修復を終えられたところの無名舎に縁あって訪れました。その時、ここに息づく文化のあり方や、吉田先生の「日常にあってもできるだけうつくしいもの、自分を啓発してくれるものや雰囲気をもとめ続けることが重要。生活工芸・空間の創作、人生日々創作」というお考えに触れ、多くの刺激を受けました。風にそよぐ庭の葉、水に落ちた花、ゆれる簾、涼やかさの工夫がさりげなくほどこされ、また夕暮れになると聞こえてくる笛の音などがとても贅沢で別世界に感じたそうです。それから何度も無名舎をお借りし、独特な空間を活かしたコンサートを企画し行いました。そして歌枕は、この無名舎での経験が原点となり、日本建築のすばらしさやその建物を活かし守って来られた人の思いをご紹介したいと、歴史的建築を活かすコンサートの活動がはじまりました。各地に残る神社仏閣をはじめとし、町家、庄屋屋敷、酒蔵などその空間、歴史を活かしたコンサートを企画開催してきました。


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(2018年4月 無名舎於 “ 平家物語〜「熊野」「敦盛」” 公演)


それから20年数年が経ち、4年前『歌と語りの一人舞台〜音絵巻』の形式での作品が誕生した時、歌枕が吉田先生にお願いし、再び無名舎での公演が実現。京町屋の佇まい、襖や鴨居、床の間などを生かした舞台作りで、ハイビジョン画面で文様や日本画を襖絵の様に浮かび上がらせ、その前で歌枕が歌と語りで日本の歴史物語を綴り、幽玄の世界が生まれています。また歌枕が吉田先生にご相談し、公演内容、季節にあわせた吉田先生のコレクションをさりげなく飾り、お部屋や縁側でお庭を見ながらお茶をお召し上がりいただくなど、京町屋での時間をトータル演出し、まさに「歴史的建築空間を活かしたコンサート」を行っています。





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アーティスト歌枕直美のライブを中心とした様々な音楽活動を、コンサートスタッフがレポートいたします。

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