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5月19日20日 和歌劇「ヤマトタケル」浜松公演レポート 村瀬隆 - 2012.05.22 Tue

一年ぶりの宝林寺である。
不思議だが、ここに来ると、故郷に帰ってきたかのような安堵感がある。
初山宝林寺は奥浜名湖の山中に建てられた湖北名刹五山の一つである。
独湛禅師が隠元禅師と共に中国から日本に渡り、日本へ禅を伝えた、黄檗宗の禅だそうである。
1664年に建てられたといわれるので300年を遙かに越える歴史的建造物である。
明朝風様式を残す貴重な建造物であり、国の重要文化財に指定されている。
現在では、町並みが広がり、町の外れに寺が位置している形になっているが、開山の頃は
おそらく、奥深い山中にひっそりと建っていたのだろう。
まさに、禅の修行道場であったわけだ。
今は、観光の名所として、多くの観光客が訪れる憩いの場所ともなっている。

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さて、歌枕直美さんの今年の新作「ヤマトタケル」が19,20の両日に渡って上演される。
一週間ほど前に、奈良の国立博物館の日本庭園での野外公演では、自然と一体となった「ヤマトタケル」の和歌劇が繰り広げられたが、今回は、重要文化財の本堂の中での上演であり、映像を投影しての和歌劇となる。
宝林寺に来てまず、驚くのが、堂内の地面が全て瓦であることだ。
瓦とは屋根の上に乗っている物だと思っていたが、深緑の頑丈な瓦がびっしりと敷き詰められている。
どうやら、この瓦も影響しているのか、堂内の音響効果は極めてよく、響きが直接体に響いてくるような、音の透徹感がある。
 さて、いよいよ、開演となる。
 ことしも、浜松の友の会の人たちが、大勢ボランティアで駆けつけて下さった。
こういう、根強い支援者の力が歌枕さんの活動をしっかりと支えて下さっている。
両日に渡り、多くの観客の方がはるばる遠方の場所まで駆けつけてくださった。
 歌枕直美さんも、心魂を打ち込んでの熱演であった。
 その入魂の歌はしっかりと観客のみなさんの心を打ったに違いない。
和歌劇の観じ方は、人それぞれに違うと思う、、、
この総合芸術の表現の中から、人それぞれの断片をつかみ取って、記憶の中に留められることだろう。ある人は歌の美しさに、ある人は映像の美しさに、ある人は物語の内容に、人それぞれの関心の向く方向によって、様々な評価もうまれてくるだろう。
 ただ、感情の響きだけは、共感という不思議な連鎖を生み出す力があるようだ。
 私は、初回は堂内で公演を観、2回目は堂外で聴く機会を得た。
本堂を取り囲む緑の樹木や遠方の山林、暮れゆく夕日を観ながら鶯の声の中に、堂内から響いてくる歌枕さんの歌を遠くに聴きながら、風流な時を楽しんでいた。
 これが、禅的な歌の聞き方であろうか、、、
 すべての無駄をそぎ取っていけば、後に残るのは何か、
 歌の世界もまた、禅にも近い真理の探究の道とも言えるだろうか?
歌枕さんの歌の到達点はどこだろうか、、、
ある意味で、その道もまさしく、禅のように、厳しい求道の道かも知れない、、、
 傍らで見ていると、歌も禅も行き着く先は同じであろう。
10年後の歌枕さんはどうのような歌をうたっているだろうか、、
ふと、そんなことを考えた、、、
さて、次は9月に再び浜松で、新作「熊野」が公演される予定とのこと。
次の新作は、かなり意欲的な作品になるとの評判も高く、新進気鋭の作曲家も加わりどのような展開になるのか、目が離せない。


<秋公演予告>......................................................................

 和歌劇「熊 ゆ や 野」
-平家と源氏の間で揺れ動く 遠州池田宿の女性当主-

日時:2012年9月29日(土)30日(日)17時半開演
会場:天王山 福厳寺(ふくごんじ) 浜松市曳馬1-4-1




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