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5月17日・18日 當麻寺奥院にて和歌劇「中将姫」公演レポート2  村瀬 隆 - 2014.05.22 Thu

歌枕直美コンサートレポート
和歌劇「中将姫」~大麻曼荼羅と中将姫の謎を解き明かす~
若者たちに伝えたい名曲と物語の数々

                      村瀬 隆(歌枕直美友の会会員)


奈良県當麻寺、久しぶりの、奈良である。
このお寺の名前はかなり難しい。當麻寺と書いて、たいまでらと読むそうである。
地域の人には、常識の範疇であろうが、他府県に住む私にとっては?であった。
この當麻寺、調べてみると奈良でも由緒ある名刹であり、インターネットで検索してみると、

「奈良県葛城(かつらぎ)市にある高野山真言宗および浄土宗兼宗の寺。正称は二上山禅林寺。推古天皇20年(612)聖徳太子の弟の麻呂子(まろこ)王が河内(かわち)に建立した万宝蔵院を、天武天皇10年(681)役小角(えんのおづの)が移転、改称したという。奈良時代建造の東塔・西塔をはじめ国宝・重文多数を所蔵。」とある。

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一目したところ、意味不可思議、真言宗で浄土宗で禅林寺???
しかも、建立に関係した人々は歴史に名を残した有名人ばかりである。さらに、いろいろ調べてみると、このお寺には大麻曼荼羅図という国宝が秘蔵されており、それを作り上げた尼僧が中将姫であるということであった。
一体このお寺、どんなお寺なんだろうと、思って訪れたのが昨年の歌枕コンサートであった。そして、このお寺の庭園のすばらしさやスケールの大きさに驚いて帰ったのが昨年の印象であった。

それから一年、再び歌枕コンサートの縁で訪れることになった。
今年の和歌劇の題材は「中将姫」~大麻曼荼羅と中将姫の謎を解き明かす~である。
この一年の間に、うたまくら社と脚本家の菅沼登先生の共作で、密かに、この當麻寺にゆかりのある中将姫をテーマにしたオリジナルの和歌劇が創作されていたのだ。
この話を聞いたとき、なるほど、これがうたまくら社のスピリットであろうと思った。和歌劇の創造には、当事者にしか理解不能の、創作者につきものの産みの苦しみというものが必ずあるものだ。とくに、僅か二日間だけの上演のために、一年という歳月をかけ、史実の調査やシナリオの創作、さらにオリジナルの曲作りと長丁場の終わりなき創造の苦闘が始まるのである。少なくとも、必ず創作現場には、そのような事態が発生する。

そこで、直接、歌枕さんに聞いてみた。
「こんどの和歌劇の作曲はほとんど歌枕さんが一人でやっていますが、これだけの難しい古典の和歌や物語の展開に曲付けするとき、作曲に行き詰まることはないですか?」
これに答えて、
「うーん、菅沼先生の脚本がきちっとできているので、意外とそんなに苦労することはないです...」
という、あっけらかんとした返事であった。これは、私にとっては極めて想定外の答えであった。
そこで、私なりの結論として考えたことは、おそらく、この和歌劇の創造は異次元から啓示のように降ろされているのではないか、本人の意志を超越した次元からの情報を受け取りながら、この強靱な体力と精神力を要する仕事はなされているのだろう。ということだ。いずれにせよ、十年を超える超人的な作業の連続が、創造の神を引き寄せたのは間違いなさそうである。

さて、今回のコンサートは天候の神も引き寄せたようで、極めて上天気の中で、両日に渡り熱演が繰り広げられた。
第一部「やまとうたコンサート」では、歌枕さんの数々の持ち歌の中の、名曲中の名曲が選りすぐられて、上演され、いつもの軽妙なジョークも全開である。この精神性の高い気品在る歌の数々の洗礼をうけながら歌枕さんの洒脱な語りを聞く、この第一部だけでも、このコンサートに払ったチケット料金の元は十分取れる。
それに加え、第二部の一年がかりの独創的な創作和歌劇を堪能できる。これほどの価値ある物に出会えるチャンスは、ほとんど無い。その意味で、この二日間のコンサートに遠方から足を運んで頂いたみなさんは、かけがえの無い価値を受け取っているのだと思う。
当然芸術なので、人様々な印象や感動を受け取って、帰路につかれることであろう。
言葉が難解であると思われる人もいるであろうし、衝撃的な感動を受け取って行かれる人もいるであろう。
私もその一人であるが、いずれにせよ歌枕ワールドはかなり衝撃的であることは間違いないだろう。
歌枕さんに一体何歳まで活動を続ける計画ですか?とたずねてみた。
「うーん、、まったく決めていません」
「そうですか、ぜひ100歳までやってください。」
と冗談交じりに話したのであるが、是非長寿歌手の新記録を作って頂きたい物である。
今回の歌枕さんの歌を聴いていて、また一段さらに深みのある、しかも力みの無い表現の境地に達しておられるように感じた。
歌枕直美さんの進化はまだまだつづくであろう。100歳の歌をぜひ聴いてみたい物である。
これは、かなり聞き応えのあるものとなるであろう。

第二部の和歌劇で繰り広げられた當麻寺にまつわる中将姫の物語
中将姫の生涯はこの世の無常という現実を自ら体験することで、尼僧となり、新なる命を信仰と芸術によって得たのであろう。人生の前半を波乱と苦悩の中に翻弄され、その晩年に到達した世界は穏やかな平安に満ちた真の安らぎの世界であったに違いない。

そして、今日、その中将姫の物語を語り継ぐ歌枕直美さん…
若き日に知覧において特攻隊に散った若者達の遺書や写真に出会い、日本人の培ってきた文化や精神を後世に伝えるという使命を自らに課し、黙々と歌い続ける歌枕さんをみていると、時代は違っても、日本人の心はしっかりと受け継がれていることを感じる。青春の日に知覧で衝撃的な体験をし、自らの生きる道を見いだした歌枕さんは間違いなく幸運な人であろう。

そして、また時代は巡っていく。
現代の若者達が、この歌に出会い、衝撃的な出会いの機会を得ることによって新しい活路を見いだして欲しいと思う。日本の若者の皆さんにも、ぜひ、一度、歌枕さんのコンサートをご覧になることを心からおすすめしたいと思う。




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